2023年 12月の法話

『宗教について』

今年一年いろいろな事がありましたが、こうして皆様が納めの観音様に無事お参りできましたことは素直に観音様に感謝していただければ、ありがたいなと思います。そして先程皆様に1本1本、護摩木をお供えして頂きました。このお供えした皆様のお願いが必ずや観音様が見届けてくださると一つ信じていただけますと来たる新年が良き年であること、間違いありません。

ちょうど一昨日知り合いの結婚式がありまして、参列をさせて頂いたのですがキリスト教の結婚式でした。知り合いの方から証人になってくれとお願いがあったのですね。その時に服装をどうしようかと悩んだのですが、事前に牧師さんへ相談しました。自分は僧侶なのですが、証人として参列しても構わないのでしょうかと聞いたところ、どうぞ喜んでという話なので牧師さんがそう言ってくれるのであれば正装で行こうと思い、お坊さんの格好で行きました。

教会の中で厳かに式が続けられて、いよいよ証人が段の上に上がり証明する番になりましたら、え!と後ろの方でいろんな声が聞こえるのです。皆さん、驚かれたのですね。何故キリスト教の結婚式に僧侶が出てくるのだと。
逆に驚かれたことが私にとって大いに励みになりました。というのは、やはり宗教はこれから仲良くしなければならないのだと。世の中の幸せのために手を取り合えるところは手を取り合っていかなければならないのだという気持ちでおりますものですから、キリスト教も仏教も一緒になって良いのだと参列者の皆様に想いが芽生えたのなら今日の私の役目は大成功かなという事でほっとしました。

もともと今から40年ほど前にカトリックのローマ法王様が世界中のいろんな宗教の人に呼びかけて、せめて宗教者同士は戦争・争いなどはせず平和のためにそれぞれのやり方で共に祈りましょうという宗教サミットを開かれたわけです。それから40年、永遠とその行事が繋がっています。私も何度かヨーロッパへ平和の祈りのために行ってまいりました。ローマ法王様とも握手もしてきました。ですからやはりもう宗教界に自分は〇〇教だと言っている時代ではないのです。但し世界の中には宗教の名の下に力づくで、ものごとを行おうとする人々がいることも確かです。宗教が正直言って利用されているわけで、宗教が戦争をしているわけではないのです。

こちらを皆様に訴えさせて頂いて、我々は宗教同士がそういった争いはないのだと一つ認知していただけましたら有難いです。 どうぞ皆様に良いお年が参りますよう心からお祈りしております。

以上を持ちまして、12月の法要を終わりにさせていただきます。