2016年 しまい観音の法話

『願いを成就させる為に必要なもの』

師走の心落ち着かない時ではありますが、納めの観音様にお越しいただき、誠にありがとうございます。
良い天気で気持ち良く暮れが迎えられるかなと思います。

今日は護摩供養ということで、お護摩の火が盛んに燃えております。
この護摩の火ですが、一つとして同じ形はございません。千変万化です。あえて言えば、我々の気持ちと同じです。我々の気持ちもちょこちょこと変わります。
お護摩の火は、ただの火ではございません。煮たり焼いたりする火ではなく、観音様に捧げる火です。そして、その火の元となるのが現実的には護摩木や、いろんなお供え物であります。しかし、一番必要なのは我々の気持ち、心です。念ずる心。これが火の中にお供えされております。
一般的には物事が成功する三つの条件として、天の時、地の利、人の和と言います。これを仏様の世界では、三力合一(さんりきごういつ)と言います。以我功徳力、如来加持力、及比法界力といいまして、漢字の通り、三つの力が一つに合わさるということです。なにが合わされるかといいますと、一つ目はお経を唱える。二つ目は観音様にお願いごとをし、観音様を頼りにする。三つ目は我々は無理をしてはいけない。普段の生活の中で無理をしないということを全て仏様の思し召しと考えていただきますと、無理をしなくて済みます。無理をするとどうしても後で悪い面が出てきてしまいます。この三つがうまくかみ合った時、天の時、地の利、人の和と一緒になるわけです。

今日は護摩供養をし、皆さんのいろいろな念が火の中に納まりました。私も護摩木を見させていただきましたが、我々人間は願う事がたくさんあるのだなと感心する次第です。ただ我々が願いを成就させていくにはやはり三つの力が合わさるというのが大事です。
今年一年皆さんも無事に観音様のお参りをする事ができました。観音様も本当に喜んでいると思います。これで今年は終わりになりますが、新年を迎えたら、新たな気持ちで観音様にお参りいただくということが、観音様を頼るということになりますので、来年もお参りをよろしくお願いします。
それでは、よいお年を迎えられますようお祈り申し上げまして、法要を終わりにさせて頂きます。