3月の法話
『あれから一年』

3月11日に、気仙沼の方へ東日本大震災一周忌慰霊法要に行ってまいりました。
気仙沼の観音寺というお寺さんで比叡山、三井寺、西教寺との合同法要という事でしたが、
観音寺だけでも、お檀家さんが約150人亡くなられたそうです。
その中にはご家族がまだ行方不明の方も多くいらっしゃるようで、法要が終わってからも涙を流されている方が大勢いらっしゃいました。

勿論、被災者全員のお話しを聞いた訳ではないのですが、被災者の方が言われる事は
『色々な支援は大変ありがたいけど一緒に頑張っていてくれているんだという心の支えが一番嬉しい』と良く聞きます。

自分達は孤立してないんだ。自分達の後ろには日本の皆が応援してくれているんだと感じることが出来るから、私たちは頑張れます。と言っていました。
ですから、応援の気持ちをどうやって届けたら良いかと私たちも色々進めております。

比叡山の方では、家を流されてしまった方に組み立て式の簡易お仏壇を1000個ほどお配りさせて頂きました。
また、ご遺体がまだ見つからないご家族の為に、お葬式を出す際のお骨の変わりになるよう小さな仏様をお配りして、それをお骨の変わりにお葬式をして下さいと進めております。
大変な被害でございましたが、震災の後何度か被災地を訪問させて頂き感じる事は、皆様はとにかく一生懸命頑張っているという事です。
ですから我々も、同じ日本の中でこのような事が起きたという事。そして、まだ現地では解決していない事が沢山あるという事を忘れる事無く支援の気持ちを持ち続けたいと思います。

被災地の事を手短で申し訳ないのですがお話しさせて頂きました。

これから春本番を迎えて、あちこちで花が咲きだします。仏様は花を喜ばれ、同時に皆様の笑顔も観音様は喜ばれます。

どうぞ皆さん笑顔で春を迎えましょう。

以上で3月の法要を終わりにさせて頂きます。